屋根材は素材や形状、メーカーなどによって様々な種類があり、それぞれに価格や耐久性、重量、デザインなどの特徴や、素材や製品ごとのメリット・デメリットがあります。
屋根材といえば、伝統的な日本家屋や神社仏閣などで昔から使われている陶器瓦がおなじみですが、最近は耐久性や施工性を高めるため、金属やセメントを加工した屋根材がよく使われています。
ここでは一般的な屋根材としてよく使われる「陶器瓦」「スレート(セメント瓦)」「アスファルトシングル」「金属瓦」の4種類をご紹介します。以下は屋根材の簡単な比較です。
屋根材の種類 | 陶器瓦 | スレート(コロニアル) | 金属瓦 | アスファルトシングル |
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耐久年数 | 50年~100年以上 | 30年程度 | 20~30年程度 | 30年程度 |
重量 | 重い | やや軽い | 軽い | 軽い |
施工費用(1㎡あたり) | 約12,100円(税込)~ | 約6,600円(税込)~ | 約8,800円(税込)~ | 約7,700円(税込)~ |
陶器瓦
伝統的な日本家屋や神社仏閣などの屋根材として昔から使われている陶器瓦は、雨水や太陽光の影響を受けないので劣化しにくく、メンテナンス不要で半永久的に使えることが特徴です。
ただし、屋根材としては非常に重いので地震や台風などの災害に弱く、施工費も高くなります。
新規施工費 | 約12,100円(税込)~/1㎡ |
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重量 | 重い |
耐久性 | 50年~100年以上 |
メリット | 耐久性が高く半永久的に使える 陶器なので雨水や太陽光で劣化しない 遮音性が高い |
デメリット | 初期費用が高くなる 重いので地震などの災害に弱い 台風などで瓦が飛ぶことがある |
スレート(コロニアル)
スレートは薄い板状の岩を加工した屋根材で、最近の新築住宅によく使われています。天然岩のスレートをはじめ、石綿スレートやセメントから作ったセメント系スレートなどがあります。
以前は石綿(アスベスト)を使用したスレートが主流でしたが、アスベストが悪性の肺中皮腫(がん)の原因となることが判明したため、現在は石綿を一切使用しない無石綿スレートが主流になっています。
陶器瓦よりも軽く、施工しやすいのが特徴です。価格も瓦と比べて安価なので、施工費用を抑えることができます。ただし、薄いので瓦よりも割れやすく、塗料のメンテナンスが必要です。
新規施工費 | 約6,600円(税込)~/1㎡ |
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重量 | やや軽い |
耐久性 | 30年程度 |
メリット | 陶器瓦より安く施工費用を抑えることができる シンプルでスリムなデザイン 比較的軽いので施工しやすい |
デメリット | 塗料が劣化するのでメンテナンスが必要 薄いので瓦よりも割れやすい |
金属屋根
金属屋根は工場や倉庫によく使われるトタン板から、アルミや鋼板、フッ素樹脂をコーティングした複合鋼板など種類は様々です。最近は耐久性が高く、デザイン性もあるガルバニウム鋼板の金属屋根が増えています。
金属屋根は錆びやすいのが欠点ですが、複合素材の金属屋根は加工性に優れ、耐火性や耐久性も高くなっています。また、金属屋根は軽いので施工しやすく、地震などの自然災害にも強くなります。
新規施工費 | 約8,800円(税込)~/1㎡ |
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重量 | 軽い |
耐久性 | 20~30年程度 |
メリット | 屋根材の中で最も軽い 金属なので丈夫で耐火性に優れる 屋根が軽くなるので地震に強い |
デメリット | 経年で錆が発生する 薄いので雨音が響きやすい メンテナンスが必要 |
アスファルトシングル
アスファルトシングルはアメリカやカナダで普及している屋根材で、ガラス繊維の基材にアスファルトをコーティングし、砂粒を吹き付けて表面を着色しています。
瓦と違って鮮やかな色合いのアスファルトシングル屋根材が多く、西洋風の洗練された見た目が特徴です。また、薄くて柔らかいシート状の屋根材なので施工しやすく、曲面にも貼ることができます。
新規施工費 | 約7,700円(税込)~/1㎡ |
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重量 | 軽い |
耐久性 | 30年程度 |
メリット | 薄くて柔らかいので施工しやすい 洗練された見た目と西洋風のデザイン 割れや錆がなく防水性が高い |
デメリット | 施工に釘や接着剤が必要 劣化すると表面の砂粒が落ちてくる 薄いので台風や強風に弱い |
